対応モデル: Aegis Clear(クリア) & Aegis Matte(マット)

1. はじめに:Aegis フィニッシングシステムとは

Aegisは、3Dプリントの後加工における一般的な課題を解決するために開発された、先進的な水性ポリウレタンベースのコーティング剤です。「強力」「簡単」「安全」をコンセプトに設計されています。

  • Aegis Clear(機能性ベースコート) 強度を高め、多孔質の表面をシーリング(封止)し、滑らかで塗料の定着性に優れた下地を作るための保護シーラーです。

  • Aegis Matte(美観仕上げ用トップコート): 光の反射を抑えることで積層痕を目立たなくし、上質でベルベットのような手触りを実現する最終仕上げ材です。既製品のような美しい外観を与えます。

 

2. 製品の特長

Aegis Clear(光沢シーラー & レベリング下地)

  • 繊維の封じ込め(安全性向上): PA-CF(カーボンナイロン)や PETG-CF などの複合素材フィラメントに含まれる鋭利な繊維をコーティングで包み込み、滑らかで手に触れても安全な表面に仕上げます。

  • 吸湿の抑制: ナイロン(PA)やPPAなどの吸湿性フィラメントをコーティングすることで、湿気による劣化を防ぎ、造形物の剛性と強度を維持します。

  • 高い耐久性: 硬化後は強固な光沢被膜となり、擦れや湿気、イソプロピルアルコール(IPA)の軽度の付着にも耐える耐性を持ちます。

  • セルフレベリング(自己平滑化)機能: プライマー(下地剤)として機能し、微細な積層痕を埋めて滑らかにします。塗装を行う際の密着性も大幅に向上させます。

Aegis Matte(積層痕隠蔽トップコート)

  • 積層痕の視覚的隠蔽: 超マットな仕上がりが光を拡散させ、FDM方式特有の積層痕(レイヤーライン)を目立たなくします。射出成形品のようなクリーンな外観を実現します。

  • 上質な「ベルベット」タッチ: 乾燥後はベタつきがなく、指紋が付きにくいマットな質感になります。手触りも高級感のある仕上がりです。

  • 撮影に最適な無反射仕上げ: 均一で反射のない表面は、製品写真の撮影や、光の映り込みを避けたい筐体パーツなどに最適です。

  • トップコート専用設計: 最終仕上げ層として設計されています。

3. 使用方法

3.1 事前準備(共通)

  1. 清掃 造形物の表面が清潔で乾燥しており、ホコリ、油分、未硬化のレジンなどが付着していないことを確認してください。

  2. 攪拌(かくはん) 使用前に容器をよく混ぜてください。気泡の発生を防ぐため、激しく振らずに優しくかき混ぜるようにしてください。

  3. 塗布の基本: Aegisは低粘度のポリウレタンです。一度に厚塗りせず、薄く均一に複数回重ね塗りするのが最良の仕上げへの近道です。

3.2 筆塗り(ブラシ塗布)

特別な器具を必要としない、最もシンプルな方法です。

(1) ブラシの選定 筆跡を残さないよう、毛先の柔らかい高品質なブラシを使用してください。

(2) 塗布 容器から直接、薄く均一に塗布します。塗りムラを防ぐため、素早く作業し、塗布面が乾く前に塗り広げる(ウェットエッジを保つ)ようにしてください。

(3) 乾燥 室温で換気の良い場所であれば、約20~30分で指触乾燥(触れる程度)します。時短テクニック:50℃で10分ほど加熱することで乾燥を早めることが可能です。

(4.) 重ね塗り: 必要に応じて2〜3回塗り重ねてください。完全に硬化して強度がでるまで、最終塗布から24時間は強い力を加えないでください。

      3.3 スプレー塗布(エアブラシ または HVLPガン)

      大型パーツや複雑な形状において、最も均一でプロフェッショナルな仕上がりを得る方法です。

      (1) 希釈: 本製品を水(推奨:精製水)で10〜20%希釈してください。

      • ※ミネラル分の付着を防ぐため、水道水ではなく精製水の使用を推奨します。

      • ※希釈率はご使用の機材や空気圧に合わせて調整してください。

      (2) タックコート(捨て吹き): 最初は定着を良くするため、軽く霧状に吹き付け(砂吹き)、5~10分乾燥させます。

      (3) 本塗装 その後、表面が軽く濡れる程度に均一に塗布します。各層の間に20〜30分の乾燥時間を設けてください(50℃で10分加熱も可)。

      4. 仕上げ希望の質感になるまで重ね塗りを繰り返します。

       

      4. 推奨プロセス:Aegis ClearとMatteの併用

      最高の仕上がりを得るために、以下の2ステップで使用することを推奨します。

      • ステップ1:下地作り(Aegis Clear) Aegis Clearを1~3層塗布します。これにより積層痕を埋め、表面を保護し、強固で平滑なベースを作ります。完全に乾燥させてから次のステップへ進んでください。

      • ステップ2:仕上げ(Aegis Matte) Aegis Clearが乾燥した後、最終仕上げとしてAegis Matteを1~2層塗布します。光沢を抑え、残った微細な積層痕を隠し、上質な手触りに仕上げます。

      【重要】 Aegis Matteはトップコート専用です。 その特殊なテクスチャーにより、Matteの上から塗装したり、Aegis Clearを塗ったりすることには適していません(密着不良やムラの原因になります)。必ず一番最後に使用してください。

      プロのコツ(サテン/半光沢仕上げ) Aegis ClearとAegis Matteを 1:1 の比率で混合して最終コートとして塗布すると、上品な半光沢(サテン)仕上げになります。

       

      5. 清掃とメンテナンス

      • 道具の洗浄使用後は直ちに、ブラシやエアブラシ等の機材をぬるま湯と石鹸で洗浄してください。

      • こぼれた場合 液が乾く前に、湿らせた布で拭き取ってください。

      • 硬化後の除去 硬化後のAegisは耐水・耐溶剤性が高いため、除去するにはサンドペーパー等で物理的に研磨する必要があります。

      6. 保管、使用期限、希釈について

      • 保管方法 冷暗所(理想は約25℃)で保管してください。

        • 未開封:最長36ヶ月

        • 開封後:12ヶ月以内の使用を推奨

      • キャップの管理 使用後はボトルの口をきれいに拭き取り、しっかりとキャップを閉めてください。表面に皮膜(スキン)ができるのを防ぐためです。もし薄い皮膜ができてしまった場合は、取り除いてから使用してください。

      • 希釈の注意点(重要):

        • スプレー用や、液が乾燥して粘度が高くなった場合は水で希釈可能です。

        • 必ず別の容器に取り分けてから水を加えてください。 水を混ぜた液を元のボトルに戻さないでください。特に水道水が混入すると、化学的安定性が損なわれ、ボトル全体の品質が悪化する恐れがあります。

      7. 安全性と応急処置

      Aegisは水性で低臭、家庭や作業場でも安全に使用できますが、以下の点にご注意ください。

      • 換気の良い場所で使用してください。

      • 目や皮膚との長時間の接触を避けてください。

      • 飲み込まないでください。お子様の手の届かない場所に保管してください。

      【応急処置】

      • 目に入った場合: 清潔な水で15分以上洗い流し、異常が続く場合は医師の診察を受けてください。

      • 皮膚に付着した場合: 石けんと水でよく洗い流してください。

      • 誤飲した場合: 無理に吐かせず、口をすすぎ、直ちに医療機関を受診してください(本ガイドまたは製品ボトルを持参してください)。

      8. サポート

      ご不明な点や技術的なご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。